大正製薬のスキンケアブランド「アドライズ」(ADRYS)って知っていますか?
聞くところによると、アトピー治療なんかにも使われるヒルドイドという有名な医薬品と共通の成分らしいです。
ということは、肌荒れだとか、肌の乾燥だとかに有効なスキンケアのイメージかな?
アドライズの成分である「ヘパリン類似物質」、そしてヒルドイドとの関係について調べてみました。
アドライズの成分「ヘパリン類似物質」はヒルドイドと同じ?
ヒルドイドが美容に効果的だということは、この記事にたどり着いた人ならご存知かもしれません。
そして、医薬品のヒルドイドを美容目的で使うことがNGだということも……。
すこしだけおさらいしておくと、ヒルドイドは医薬品です(マルホ株式会社の商標または登録商標)。
- アトピー性皮膚炎に伴う肌の乾燥
- 打撲等のあざ
- ケガをしたときのケロイド予防
などに対して保険適用で処方されます。
保湿成分である「ヘパリン類似物質」を配合し、肌が敏感で乾燥しやすいアトピーの治療に使われるくらいなので高い保湿効果を期待できるというわけ。
しかし、ヒルドイドはあくまでも病気の治療のためのもの。「肌が乾燥してなんだか化粧のりが悪い」「肌にうるおいがあればもっとキレイになれるのに」といった美容目的で使うものではありませんでした。
ところが……。
美容効果を期待して不正に使用されていた?
ヒルドイドが処方されるのは本来であれば、
- 痔を含む血栓性静脈炎
- 血行障害に基づく炎症や疼痛(痛みのこと)
- ケロイドの治療と予防
- ケガをした後の腫脹・血種・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎
- 凍瘡
- 肥厚性瘢痕
- 皮脂欠乏症
- 進行性掌角皮症
- 乳児期の筋性斜頸
といった疾患に限定されています。
しかし、ヒルドイドの美容効果に注目が集まった2015年以降、処方される量が急激に増えました。
疾患の治療目的ではなく、美容目的で皮膚科を受診して医師にヒルドイドを処方してもらう人が続出したのです。その額は年間で93億円にのぼると推定されました。
ヒルドイドと同じ保湿成分を含む美容クリームはとても高価です。病院でヒルドイドを処方してもらえれば同じ成分を格安(1,000円~2,000円くらい)で手に入れることができます。もちろん、病気でもないのに病院でヒルドイドを処方してもらうのは、やってはいけないことですよ。